ダークストアが示す小売の新潮流
小売業界で、従来の店舗概念を大きく変える動きが広がっている。アルゴスのような新型店舗では、商品棚を撤去し、タブレット端末と受取カウンターのみを配置するいわゆる「ダークストア」型フォーマットが導入されている。この方式は、物理的な売場スペースを最小化することで店舗運営コストを削減しながら、顧客はタブレットから注文して商品をピックアップするという手軽さを実現している。利便性と効率性の両立を目指す試みとして、今後の展開が注目される。
男性向けケア製品の需要拡大
一方、消費者側の行動変化も顕著だ。資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」が初めて男性向け製品を市場に投入したところ、初月の売上が販売計画の190%に達した。従来、日焼け止めは女性向けが中心だったが、男性の間で使用習慣が広がりつつあることを示す結果である。各企業は、従来のジェンダー枠を超えた新規顧客層へのアプローチが重要な成長機会と捉え始めている。
コスト上昇が生む値上げ局面
こうした前向きな動きがある一方で、業界全体を覆う課題も浮かび上がっている。ロッテは7月以降の出荷分からアイスクリームの値上げを表明し、原材料価格などのコスト上昇を理由としている。タイミングが注目されるのは、この発表が公正取引委員会による価格カルテル疑いの立ち入り検査直後に行われた点だ。コスト転嫁の妥当性と業界内の価格協調が区別されるべき問題として、規制当局の目も向けられている。
消費・流通現場では、新しいビジネスモデルと消費者ニーズの変化が生まれる一方で、原材料費高騰という構造的課題が企業収益を圧迫し始めている。
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