製造業景気の持続的な改善
日銀が7月1日に発表した企業短期経済観測調査で、大企業製造業の景気判断指数が前回から5ポイント上昇した。特に注目すべきは、この指数が5期連続で改善を続けている点だ。製造業の景況感が一時的な回復ではなく、持続的に好転していることを示唆している。
土地資産価値が全国で上昇
同じく7月1日に公表された路線価は、全国平均が5年連続で上昇し、2010年以降で最大の上昇率を記録した。この上昇には、外国人観光客の増加を背景とした観光地の不動産需要の高まりが大きく寄与している。インバウンド需要が土地価格に直結する形で経済に影響を与えている状況がうかがえる。
個人の資産防衛、海外へのシフト
一方、円安が1ドル160円台を常態化させる中で、個人投資家の行動にも変化が生じている。国内だけでの資産防衛が困難になり、海外資産への関心が高まっているのだ。長期的な円安傾向と金利環境の変化により、国外での資産運用・分散投資の需要が増加し、金融機関も国際的な商品提供を重視する傾向を強めている。
製造業の景気改善と資産価値の上昇という明るい指標がある一方で、企業や個人の資産戦略が国内から外へとシフトし始めている側面にも注意が必要だ。景気の力強さと資産流出のジレンマが、経済の構造的課題として浮き彫りになってきている。
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